tsugaru’s blog

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フーリエ解析の理論と自然現象のフィーリエ解析(2)


備忘録がてら書きましたが、誤りがあるかもしれません。
自分に都合が良いように書いたので飛ばし読みでお願いします。
また、このシリーズの更新を気まぐれで行うことがあります。

このシリーズでは、第一回で関数の三角関数による展開を簡単な事例から導入し、一般的な事例まで数学的な視点で確認する。第二回では実際に利用されることを想定した説明を試みる。デジタル的な分析においては標本化し、量子化するので、さらに応用して考える必要がある。

第二回では

で構成される。

実際のデータにおいてのフーリエ解析

ある事象を観測する時、その事象が時間的に連続であっても、観測は離散的に行われるということはよくある。コンピュータによる分析では必然的に離散的になってしまう。また、その事象が持つ特徴も連続であったとしても、観測値は離散的であるということもよくある。人間による観測では認識の限界以下は切り捨てられてしまうし、コンピュータであれば計算精度以下は切り捨てられてしまう。このように、フーリエ解析するにあたって観測データは離散的であることがよくある。今までは連続的なデータについて考えていたので、第二回では、離散的な時どのように分析すればより適切な値として分解できるか考えてみる。

離散的な観測

標本化

時間的連続な事象から離散データとして観測する操作をサンプリング(標本化)と呼び、その周期Dをサンプリング周期、周波数1/Dをサンプリング周波数という。
以下は標本化のイメージ

標本化 - Wikipediaより


量子化

ある物理現象について量子を規定し、その物理量を量子の整数倍として表現すること。デジタイズともいう。
以下は標本化と量子化を行った例。連続的な事象に近い高さの横線を観測値としている。

Quantization (signal processing) - Wikipediaより


以上のように、時間的に離散的な観測値から、連続信号f(t)の周波数情報F(w)を
取り出すことが、大きなミッションとなる。ここで用いる手法が離散フーリエ解析である。

適切にサンプリングを行うために

サンプリング周期が大きすぎた場合、適切な分析ができなくなる可能性がある。
極端な例で言えば、$f(t)={\rm sin}2\pi \dfrac{t}{T}$の波に対し、サンプリング周期Tでデータを取得すると、観測データは定数となってしまう。これでは元のf(t)が定数関数であるように感じてしまう。つまり、我々が観測したい成分の波に対して、十分に細かく標本化をする必要がある。

例えば、人間の耳に聞こえる範囲については正確にフィーリエ解析を行いたいのであれば、超超高い音まで分析できるぐらい細かくサンプリングする必要はない。

また、下図は初期移送が同じで振動数が10/2=5.0を境に0.1ずつずれた二つの波
$sin(2\pi*4.9t)$、$sin(2\pi*5.1t)$を、サンプリング周波数10で標本化した図である。下のように、同時刻においてyの符号が異なる同じ大きさの強度の波が観測され、二つの波は区別されていないことがわかる。

f:id:pika-bika:20200827000341p:plain
二つの波の観測

このように、サンプリング周波数に対して半分の周波数以上のものは、それ以下のものを同様に観測されて、混ざり合ってしまう。そのため、サンプリング周波数の半分以上の周波数の波は、観測前に予め除去する必要がある。サンプリング周波数の半分の周波数のことをナイキスト周波数と呼び、高い周波数を取り除く仕組みをローパス・フィルターという。ナイキスト周波数に関するより詳しい説明と、フィルターの説明は後ほど示す。

ここでは、サンプリング周波数に対して有効な観測周波数帯を考える。

ナイキスト周波数はなぜ$f_s/2$か

ここは文献がないがために念のため自力で説明を試みただけなので、読む必要はありません。(クソ長い)

任意の二つの波が混ざり合って観測されては困るので、ここでは二つの波があった時低い周波数の方を測定したいものとする。すなわち、サンプリング周波数に対して二つの波$f_1,f_2$$(0< f_1< f_2)$を観測した時、二つの波がサンプリングによって同じであると判定される$f_2$の下限を考えれば良い。

上では初期位相を揃えたが、観測開始時刻t=0においての波の初期位相は0とは限らない。また、二つの波が同様に観測されるとは、同時刻において常にyが同じまたは符号が逆ではなく、より一般には、観測により得られた数列において、その数列が
初項がずれているだけで一致するまたは、初項がずれて符号違いで一致する場合である。

本来振幅の異なる波で考えるべきであるが、振幅が異なっていても、同じ振幅について分解して取り出すことにより同じ効果をみることができるのでここでは考えない。

以下においては、 先に述べたように、$f_1,f_2(0< f_1< f_2)$を観測した時、二つの波がサンプリングによって同じであると判定されるw_2の下限を考える。そのために、そのほかの文字の存在条件を考える。

$y_1(t)=Asin(2\pi f_1t+\phi_1)$と、$y_2(t)=Asin(2 \pi f_2t+\phi_2)$の波がある。これをサンプリング周波数$f_s$で観測する。この時、得られるデータ列についての条件は、
$
\forall n_{\in Z}(\exists f_1,l,\phi_1,\phi_2(
y_1(\dfrac{n}{f_s})=y_2(\dfrac{n+l}{f_s})
\land 0< f_1< f_2 \land l \in Z)\\
\quad \lor\exists f_1,l,\phi_1,\phi_2(-y_1(\dfrac{n}{f_s})=y_2(\dfrac{n+l}{f_s})\land 0< f_1< f_2\land l \in Z))
$


となる。符号はnによって変わってはいけないことに注意する。
ここで、$\pm y_1(\dfrac{n}{f_s})=y_2(\dfrac{n+l}{f_s})$を計算する。

$$
{\rm cos}(\dfrac{f_2\pm f_1}{f_s}n\pi+\dfrac{f_2}{f_s}l\pi+\dfrac{\phi_2\pm \phi_1}{2}){\rm sin}(\dfrac{f_2\mp f_1}{f_s}n\pi+\dfrac{f_2}{f_s}l\pi+\dfrac{\phi_2\mp \phi_1}{2})=0
$$
上式を二つをまとめた表記として、$P_{m}$$P_{\pm}$、個別に$P_{+}$、$P_{-}$とする。また、cosの位相を$X_{\pm}(n)$、$X_{+}(n)$、$X_{-}(n)$、sinの位相を$Y_{\pm}(n)$、$Y_{+}(n)$、$Y_{-}(n)$とする。この時、任意のnについて$P_{\pm}=0$となる条件は
$\forall n\exists m( (
X_{\pm}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi
\land m \in Z)\lor(
Y_{\pm}(n)=m\pi
\land m \in Z) )$
。注意点として、今回はnに対してcosが0になるかsinが0になるか変わっても良い。

以上を整理すると、

$
\forall n_{\in Z}(\exists f_1,l,\phi_1,\phi_2(
\exists m ( (X_{+}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m \pi \land m \in Z)\lor (Y_{+}(n)=m \pi \land m \in Z))
\land 0< f_1< f_2 \land l \in Z)\\
\quad \lor \exists f_1,l,\phi_1,\phi_2(
\exists m ( (X_{-}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m \pi \land m \in Z)\lor (Y_{-}(n)=m \pi \land m \in Z))
\land 0< f_1< f_2\land l \in Z) )
$
となる。ここで、nに応じてsinかcosかどちらを0にするか変えて良いということであったが、結局どちらが0になるか考える。

$X_{\pm}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi$、$Y_{\pm}(n)=m\pi$をこれをmのnに関する一次式と見る。ここで、$X_{\pm}$において、mが整数となるようなnが1つも存在しない時は、任意のnについて$Y_{\pm}(n)=m\pi$が条件となる。mが整数となるようなnが2つ以上存在する時、そのようなnの差が最小であるものをkとする。この時、そのnを起点にkずつずれたnについては全てmが整数となり、これを機能的に繰り返すことで、$X_{\pm}$においてmが整数となるようなnは結局全ての整数の場合か、kごとのnとなる。kごとのnとなる時、それ以外のnについては$Y_{\pm}$における式でmが整数となることが必要である。ここでも先ほどと同様に考えると、$X_{\pm}$、$Y_{\pm}$で相互に見たし会うのはnについて交互に入れ替わる時のみ(k=2)である。以上から、任意のnについてcosとsinの積が0となるようなmの存在条件は、

$(\forall n \in Z \exists f_1,l,\phi_1,\phi_2 , m (X_{\pm}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi\land m \in Z \land 0< f_1< f_2\land l \in Z))
\\
\lor(\forall n \in Z \exists f_1,l,\phi_1,\phi_2,m (Y_{\pm}(n)=m\pi\land m \in Z \land 0< f_1< f_2\land l \in Z))
\\
\lor (\forall p \in Z \exists f_1,l,\phi_1,\phi_2,m (X_{\pm}(2p)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi\land Y_{\pm}(2p+1)=m\pi \land p \in Z \land 0< f_1< f_2\land l \in Z))
\\
\lor (\forall p \in Z \exists f_1,l,\phi_1,\phi_2,m (X_{\pm}(2p+1)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi\land Y_{\pm}(2p)=m\pi \land p \in Z \land 0< f_1< f_2\land l \in Z))
$

ただし上の条件を$Q_{\pm}$とすると、正しくは$Q_{+}\lor Q_{-}$である。
さて、ここで、位相の条件式のうち整数n(あるいはp)、mに着目する。mのn(p)についての一次方程式とみて、任意のn(p)に対し、常にmが整数であるので、切片、傾きが共に整数である。
したがって

$\forall n \exists m (X_{\pm}(n)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi)$ $\dfrac{f_2\pm f_1}{f_s}\in Z \land \dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{\phi_2\pm \phi_1}{2\pi}-\dfrac{1}{2}\in Z$
$\forall n \exists m (Y_{\pm}(n)=m\pi)$ $\dfrac{f_2\mp f_1}{f_s}\in Z \land \dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{\phi_2\mp \phi_1}{2\pi}\in Z$
$\forall p \exists m (X_{\pm}(2p)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi\land Y_{\pm}(2p+1)=m\pi)$ $\dfrac{f_2\pm f_1}{f_s}2\in Z\land \dfrac{f_2\mp f_1}{f_s}2\in Z \land \dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{\phi_2\pm \phi_1}{2\pi}-\dfrac{1}{2}\in Z\land \dfrac{f_2\mp f_1}{f_s}+\dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{\phi_2\mp \phi_1}{2\pi}\in Z$
$\forall p \exists m (X_{\pm}(2p+1)=\dfrac{\pi}{2}+m\pi \land Y_{\pm}(2p)=m\pi)$ $\dfrac{f_2\mp f_1}{f_s}2\in Z\land \dfrac{f_2\pm f_1}{f_s}2\in Z \land \dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{f_2\pm f_1}{f_s}+\dfrac {\phi_2\pm \phi_1}{2\pi}-\dfrac{1}{2}\in Z\land \dfrac{f_2}{f_s}l+\dfrac{\phi_2\mp \phi_1}{2\pi}\in Z$

以上のようになる。ここで、特に傾きの条件について、$f_1$の存在条件と共に考える。

$\exists l_1 \dfrac{f_2+ f_1}{f_s} \in Z \land 0 < f_1 < f_2$
から、$\dfrac{f_2+ f_1}{f_s}=q\in Z$として
$\exists q (0< f_s q-f_2< f_2 \land q \in Z)$
つまり
$\exists q ( \dfrac{f_s}{2} < f_2 < f_s q \land q \in Z)$したがって、この時$f_2$は少なくとも$\dfrac{f_s}{2}$より大きい範囲である必要がある。

$\exists l_1 \dfrac{f_2- f_1}{f_s}\in Z \land 0< f_1< f_2$
から、$\dfrac{f_2- f_1}{f_s}=q\in Z$として
$\exists q (0< -f_sq+f_2< f_2 \land q \in Z)$
つまり
$\exists q (0< f_sq< f_2 \land q \in Z)$したがって、この時$f_2$は少なくとも$f_s$より大きい範囲である必要がある。

$\exists l_1 \dfrac{f_2+ f_1}{f_s}2\in Z \land 0< f_1< f_2$
は$f_s$を$f_s/2$と入れ替えれば良い。したがって、この時$f_2$は少なくとも$\dfrac{f_s}{4}$より大きい範囲である必要がある。

$\exists l_1 \dfrac{f_2- f_1}{f_s}2\in Z \land 0< f_1< f_2$
は$f_s$を$f_s/2$と入れ替えれば良い。したがって、この時$f_2$は少なくとも$\dfrac{f_s}{2}$より大きい範囲である必要がある。

以上を考えると、
条件を満たすような$f_2$が存在するための必要条件として、
$$
f_2 > \dfrac{f_s}{2} \lor f_2> f_s \lor (f_2> \dfrac{f_s}{4} \land f_2>\dfrac{f_s}{2} ) \lor (f_2> \dfrac{f_s}{2} \land f_2> \dfrac{f_s}{4} )
$$
つまり、
$$
f_2> \dfrac{f_s}{2}
$$
である。したがって、逆に$f_2$を$\dfrac{f_s}{2}$以下にすれば同じ波として観測されることが間違いなくないことが保証される。
なお、$f_2=\dfrac{f_s}{2}+df(dfは微少量)$となるような場合は、$f_1=\dfrac{f_s}{2}-df(dfは微少量)$と被ってしまうことがあると、すぐに確認できる。

フィルターの原理

上で説明したように、離散的な観測では、異なる周波数の波長が重なって観測されてしまうので、重ならないような範囲で除去する必要がある。例えばサンプリング周波数が400Hzであるならば、200Hz以上の波がそれ以下の波の観測に影響を与えるので除去する必要がある。逆に言えば、300Hzの波を観測したいならば、600Hz以上のサンプリング周波数で観測する必要がある。この時除去するフィルターのことをローパスフィルターという。デジタルなフィーリエ変換がそもそもできないため使うフィルターであるので原理はアナログである。コンデンサやコイルのインピーダンスの特徴を使うことにより、目的以外の周波数をカットする。おそらくだが、高い周波数の波を観測したい時については、その両サイドの周波数帯をカットすることにより、理論的に観測できると思う(わからないけど)。細かいことは省略。

離散フーリエ変換

有限区間$0\leq t \leq T$における連続信号f(t)から周波数情報を得るには、次のフーリエ変換を行えばよかった。
$$f(t)=\sum _{n=-\infty}^{\infty}c_ne^{-inw_0t}$$
ただし、
$$
w_0=\dfrac{2\pi}{T},\quad c_n=\dfrac{1}{T}\int_0^{T}f(t)e^{-inw_0t}dt
$$

しかし、tが離散的である今は上の式は使うことができない。

そもそも、本来の波f(t)のうち観測によって知るのは一部分なので、計算できたとしても、f(t)に近い信号x(t)である。今までは観測により無限の点からf(t)を得ることができたため、$c_n$を無限に求めることができたが、今回は有限のf(t)から係数を考えるので、係数も有限にせざるを得ない。今回はm個の周期Dの離散信号を得られたとする。すると、連続信号f(t)の観測で得られたf(0)、f(D)、...、f((m - 1)D)から、f(t)に近い連続信号として
$$
x(t) = c_0 + c_1 e^{i w_0 t}+c_2 e^{2 i w_0 t}+c_3 e^{3 i w_0 t}+...+c_{m - 1} e^{ (m - 1) i w_0 t }
$$
を計算できる。
ただし、この推測した関数x(t)は観測時刻において正しい、つまり、$x(kD)=f(kD)(0\leq k \leq m - 1)$であるとする。また、$w_0=\dfrac{2\pi}{T}=\dfrac{2\pi}{mD}$にも注意する。

この時、条件から
$$
f(0)=x(0)=c_0+c_1e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 0}+c_2e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 0}+...+c_{m - 1}e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 0}
$$
$$
f(D)=x(D)=c_0+c_1e^{i\frac{2\pi}{mD}\times D}+c_2e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 2D}+...+c_{m - 1}e^{i\frac{2\pi}{mD}\times (m - 1)D}
$$
$\vdots$
$$
f(kD)=x(kD)=c_0+c_1e^{i\frac{2\pi}{mD}\times kD}+c_2e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 2kD}+...+c_{m - 1}e^{i\frac{2\pi}{mD}\times (m - 1)kD}
$$
$\vdots$
$$
f((m - 1)D)=x((m - 1)D)=c_0+c_1e^{i\frac{2\pi}{mD}\times (m - 1)D}+c_2e^{i\frac{2\pi}{mD}\times 2(m - 1)D}+...+c_{m - 1}e^{i\frac{2\pi}{mD}\times (m - 1)(m - 1)D}
$$

となる。この条件から、$c_k$を求める。上式を整理して行列で表現すると以下のようになる。

$$
\left(
\begin{array}{c}
f(0)\\f(D)\\f(2D)\\ \vdots \\ f(kD) \\ \vdots \\ f((m - 1)D)
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{c}
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{0}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{0}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{0}{m}2\pi}\\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{1}{m}2\pi}&e^{i\frac{2}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{l}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{m - 1}{m}2\pi}\\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{2}{m}2\pi}&e^{i\frac{4}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{2l}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{k}{m}2\pi}&e^{i\frac{2k}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{lk}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{(m - 1)k}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{m - 1}{m}2\pi}&e^{i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{l(m - 1)}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{(m - 1)(m - 1)}{m}2\pi}\\
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{c}
c_0\\c_1\\c_2\\ \vdots \\ c_k \\ \vdots \\ c_{m - 1}
\end{array}
\right)
$$
これを$c_k$について解けば良いので、右辺の$m \times m $行列の転置行列を複素数で置き換えた随伴行列を左からかける。この時、
$$
\left(
\begin{array}{c}
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&e^{-i\frac{4}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{2l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{k}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2k}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{lk}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)k}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l(m - 1)}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)(m - 1)}{m}2\pi}\\
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{c}
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&e^{-i\frac{4}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{2l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{k}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2k}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{lk}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)k}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l(m - 1)}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)(m - 1)}{m}2\pi}\\
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{c}
m&0&0&\dots&0\\
0&m&0&\dots&0\\
0&0&m &\dots&0\\
&&&\vdots \\
0&0&0&\dots&m\\
\end{array}
\right)
$$
したがって、
$$
\left(
\begin{array}{c}
c_0\\c_1\\c_2\\ \vdots \\ c_k \\ \vdots \\ c_{m - 1}
\end{array}
\right)
=
\dfrac{1}{m}
\left(
\begin{array}{c}
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{0}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}\\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2}{m}2\pi}&e^{-i\frac{4}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{2l}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{k}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2k}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{lk}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)k}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{-i\frac{0}{m}2\pi}&e^{-i\frac{m - 1}{m}2\pi}&e^{-i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}&\dots&e^{-i\frac{l(m - 1)}{m}2\pi} &\dots&e^{-i\frac{(m - 1)(m - 1)}{m}2\pi}\\
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{c}
f(0)\\f(D)\\f(2D)\\ \vdots \\ f(kD) \\ \vdots \\ f((m - 1)D)
\end{array}
\right)
$$
つまり、
$$
c_n=\dfrac{1}{m}\sum_{k=0}^{m - 1}f(k)e^{-in\frac{2\pi}{m}k}
$$
ともとまる。
また、逆離散フーリエ変換は、cからfを求めるので、
$$
\left(
\begin{array}{c}
f(0)\\f(D)\\f(2D)\\ \vdots \\ f(kD) \\ \vdots \\ f((m - 1)D)
\end{array}
\right)
=
\left(
\begin{array}{c}
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{0}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{0}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{0}{m}2\pi}\\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{1}{m}2\pi}&e^{i\frac{2}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{l}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{m - 1}{m}2\pi}\\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{2}{m}2\pi}&e^{i\frac{4}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{2l}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{k}{m}2\pi}&e^{i\frac{2k}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{lk}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{(m - 1)k}{m}2\pi}\\
&&&\vdots \\
e^{i\frac{0}{m}2\pi}&e^{i\frac{m - 1}{m}2\pi}&e^{i\frac{2(m - 1)}{m}2\pi}&\dots&e^{i\frac{l(m - 1)}{m}2\pi} &\dots&e^{i\frac{(m - 1)(m - 1)}{m}2\pi}\\
\end{array}
\right)
\left(
\begin{array}{c}
c_0\\c_1\\c_2\\ \vdots \\ c_k \\ \vdots \\ c_{m - 1}
\end{array}
\right)
$$
そのものである。
ただし、これらの変換は、文献によって定数倍変わることがある。

離散フーリエ変換はどれほど良い変換と言えるか

比較方法

比較するには、ある連続関数f(t)についての各周波数分布について、
比較したい部分の閉区間フーリエ変換とある周期での離散フーリエ変換を比較する。差はあるものの、同じ傾向を見て取れる。

周期が異なるために生じる困難

結局離散フーリエ変換は、定数倍の周期の波の足し合わせで表現しようという試みである。しかし、サンプリング周波数が偶然一致することはなかなか起こり得ない。通常は周期に対して非整数倍の周期である成分が存在する。
連続的な周期の積分でできていれば、その周波数においてのみ突出した値となるが、離散的であるために、横軸を周波数、縦軸を成分の大きさとしたグラフにおいて、整数周波数で表現しようとするため、本来の周波数を中心とした山のようになり、裾野が関係のない周波数のところまで伸びてしまう。この現象をゴースト(あるいはスカート)と呼ぶ。

区間の両端がつながらないために生じる困難

ある区間についてのフーリエ変換をする際、本来の波f(t)にその区間飲み1で他は0であるような方形窓関数をかけるわけだが、それを周期的拡張を行った時、両端が連続でないことから困難を生ずることがある。そのような事態を避けるため、方形窓関数でなく、より滑らかな関数をかけることにより、問題を回避する手法がある。それらの関数を窓関数という。窓関数により、本来とは異なる分析結果となるが、これはやむを得ないらしい。
この辺の理解はまだ曖昧であるので詳細は触れません。


参考文献

鏡 慎吾 http://www.ic.is.tohoku.ac.jp/~swk/lecture/yaruodsp/main.html